ジャイナ教の尊厳を表現する「シュリー・マハヴィラ」！金箔と宝石で飾られた壮麗な像

8世紀のインド美術は、多様な宗教的信仰と文化的交流が織りなす豊かな世界でした。この時代には、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教といった宗教が隆盛を極め、それぞれ独自の芸術表現を生み出していました。

今回は、その中でもジャイナ教の尊厳を体現する傑作、「シュリー・マハヴィラ」像に焦点を当て、その芸術的特徴と象徴的な意味について探求していきます。この像は、8世紀後半に活躍したインドの彫刻家、 ジャヤヴァルマン によって製作されたと考えられています。

ジャイナ教の教えを体現するマハヴィラ

「シュリー・マハヴィラ」とは、ジャイナ教最後のティールThankar（悟りを開いた者）の名前です。彼は紀元前6世紀頃に生きたとされ、非暴力、真理、自制といったジャイナ教の核心的な教えを広めたことで知られています。マハヴィラは、苦しみの原因となる欲望や執着から解放された完全な存在として崇拝されています。

金箔と宝石が輝く壮麗さ

「シュリー・マハヴィラ」像は、高さ約1メートルにも及ぶ大理石製の彫刻です。特徴的なのは、全身に施された金箔と宝石の装飾です。金色の光沢と宝石の輝きは、マハヴィラの神聖さと威厳を際立たせています。

部位	材料
頭部	金箔、ラピスラズリ
体	金箔、水晶、ルビー
衣裳	金箔、エメラルド、サファイア

像の表情は穏やかで慈悲に満ちています。瞑想を思わせる姿勢と落ち着いた視線は、マハヴィラが到達した精神的な高貴さを表現しています。

象徴的なポーズと意味

「シュリー・マヴィラ」像には、ジャイナ教の重要な教えを表す象徴的なポーズが用いられています。

• 瞑想の姿勢: マハヴィラの悟りを開いた状態を表現しています。
• 右手: 掌を上に向け、説法を行う姿を表しています。
• 左手: 膝の上に置かれ、修行と禁欲の精神を示しています。

これらのポーズは、マハヴィラが苦しみのない永遠の境地へと到達したことを示すだけでなく、信者がその教えに従い、自らの内面を磨くように導いています。

ジャヤヴァルマンの技量

「シュリー・マハヴィラ」像は、インド彫刻の卓越した技量を示す傑作です。ジャヤヴァルマンは、大理石の素材を巧みに扱い、マハヴィラの穏やかな表情、流れるような衣裳、そして全体的な調和のとれた構成を表現することに成功しています。

特に、金箔と宝石の装飾は、像に華麗さと豪華さを加え、ジャイナ教の信仰の深さと芸術的価値の高さを物語っています。

結論：

「シュリー・マハヴィラ」像は、8世紀インド美術の輝きを代表する作品であり、ジャイナ教の教えと芸術の融合を見事に体現しています。金箔と宝石の装飾が施された壮麗な姿は、マハヴィラの神聖さと威厳を表現すると同時に、当時のインドの高度な彫刻技術を物語っています。この像は、宗教美術の力強さだけでなく、人間の精神的な探求と芸術的表現の可能性を示す貴重な遺物と言えるでしょう。